= 結果通知の日 =
【病理検査結果通知の日】
いよいよ腫瘤が判明する
女房と一緒に先生から結果の説明が始まる
「腫瘤の病理検査の結果ですが、やはり悪性、癌でした。」
この時一瞬目の前が白くなると同時に軽いめまいが起こった
良性であってほしいと願うとともに、覚悟は少しあったものの悪い方の結果だと一瞬のパニック状態に陥った現象だと認識した
『うわ~~ 悪性か~ 癌か~~ どうしよう って どうしようもできないけど』
「わかりました どんな感じでしょうか」
「はい 根治的腎摘出を実施して右腎臓全摘出及びリンパに少しかかっていたのでその部分を含め全て摘出をしました とはいうものの リンパに少し係っていたので ステージⅣになります」
『ステージⅣってどれくらいなのかな?』
「ステージⅣはどのレベルでしょうか?」
Dr. 「ステージは4段階なので一番悪いレベルですがあくまでリンパに係っていたということでⅣということです」
妻 「治療法はどうなんでしょう」
Dr. 「右腎臓全摘出及びその周りも一応疑わしい部分は全部取り除きましたので後は経過観察として定期受診して検査となります 特に放射線治療、抗がん剤投与等はありません」
妻 「わかりました ただネットで腎臓癌について調べたらインターフェロンが効くとでていたのですが、どうなんでしょうか」
Dr. 「一概にはいえませんがそんな症例もあるかもしれません 希望するのであれば処方箋をよういしますが」
妻 「よろしく お願いします」
Dr. 「ただ インターフェロンの注射の投与は今後自分で実施していただかねばならないのと 打って30分~2時間ぐらいで高熱、寒気、だるさ等の副作用がしばらく続きますので、注射の仕方と副作用の状態を確かめるために 再度1週間ほど入院をしていただきます」
自分・妻 「わかりました よろしくお願いします。」
入院延長決定!
= 手術 =
【え~~!定年直前に癌発覚】
そして手術が始まる
『全身麻酔で手術を受けるのは今回で3回目かー』
1回目は自転車で転んで顔から落ちて頬骨骨折 初めての骨折が顔の骨とは
2回目はその頬骨に固定していた3枚のプレートの抜釘手術の時
『そういえば手術は5回目か最初の手術は痔(脱肛)だったなー』
『あれは痛かった 特に局部に麻酔を打たれた時の痛みは強烈だったなー』
『手術室のあのひんやりとした空気でちょっと肌寒く感じたのに一気に汗が噴き出てきたもんなー』
『本当に痛かったなー、あれからかれこれ20年か いまだにお尻の調子はいいしやっててよかった』
「はい、それでは麻酔をします。ここから麻酔が流れてきますのでゆっくり息を吸いながら数を数えて下さい」
『いち、 にー、 さん、 しー、 ごー ・・・ zzz』
「おわりましたよー わかりますかー わかりますかー 」
「おーい 終わりましたよ わかりますかー」
『うっ! あっ! あー終わったのか・・・ どれくらい経ったのかなー』
『う~~ まだ頭がぼんやりしてる』
後でこの時のはなしを聞くと、何度の同じこと言ってたらしい
麻酔のせいで全然わからんかったけど
それから3日間ぐらいは地獄のような痛みだった 切った長さは25cmぐらいで肋骨の下あたりを
沿うように左から5cmへその上まで上がって右に20cmほど下がる
ちょうど鏡でみると「へ」の字になっている
『結構切ってるなー への字か笑えるなー でも痛かったなー いやーでも次の日から歩くのは酷だよなー』
しかし、年を取ってからの手術は体力の消耗が激しかった 5~6m歩いただけで息が上がる しかも
歩幅は30cm(約足の大きさぐらい)
今普通に歩けることが幸せに感じる 前回の手術は頬骨であり、年齢も若かったので術後は普通に歩いて外を散歩することができ、体力も数日で回復できたが、今回は事情が違った 『いやー きついし痛い』『でもやるしかないなー 誰も助けてくれないし』
『さー 歩こう!!』
= 宣告 =
【え~~!定年直前に癌発覚】
問診が近づいてきた
『本当になんなんだろー』
『腹括ろう』
『けどまだ何も言われてないし』
『こんなの なんだかドラマの1シーンのような』
問診がはじまった
ひと通り数値の説明を受け、許容外の数値については範囲内に収まるよう生活指導を受ける
『この年で生活指導か だめだよなー生活習慣ってものは 意思が弱いよなー 反省』
さて、問題の右脇腹付近のエコーの結果について話が始まる
「右腎臓になにか腫瘤が認められました、」
「悪性か良性かは腎臓自体を取って病理検査をしないと分かりませんが、腎臓の場合悪性腫瘍の確率が非常に高いので摘出手術をした方がいいですね」「手術方法は うんぬんかんぬん・・・・」
『え~~ いや参ったなー』
『なんでもいいから早く取ってもらう手術をお願いしよう』
「先生、早くできる手術でお願いします」 と次の瞬間先生に告げていた
「わかりました 一番早いオペができるのが・・・・ 2週間後の水曜日ですね ここでよろしいですか」
「はい よろしくお願いします」
「手術 入院の手続き等は看護師の指示に従って下さい これで今回のドックは全て終了となります、お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
『いやー とりあえず 見つかって良かったと考えよう』
『そうだ 女房に電話しなくっちゃ なんて言うかな』
「あ~ もしもし (状況説明)」
「・・・・ しょうがない、できちゃたんだもんね」「とりあえず 取ってみてからからだね」
「そだねー 取ってからだねー」
『案外あっさりでよかった こんな時の女房の一言で救われる』
『そーいえば左耳が突発性難聴になって聞こえなくなった時も 「なっちゃたんだからしょうがない、 神様が左耳を休ませろってことよ」 なんて言ってたな その時も結構救われたっけなー』
『やっぱ 女は強いわー』