= 手術 =
【え~~!定年直前に癌発覚】
そして手術が始まる
『全身麻酔で手術を受けるのは今回で3回目かー』
1回目は自転車で転んで顔から落ちて頬骨骨折 初めての骨折が顔の骨とは
2回目はその頬骨に固定していた3枚のプレートの抜釘手術の時
『そういえば手術は5回目か最初の手術は痔(脱肛)だったなー』
『あれは痛かった 特に局部に麻酔を打たれた時の痛みは強烈だったなー』
『手術室のあのひんやりとした空気でちょっと肌寒く感じたのに一気に汗が噴き出てきたもんなー』
『本当に痛かったなー、あれからかれこれ20年か いまだにお尻の調子はいいしやっててよかった』
「はい、それでは麻酔をします。ここから麻酔が流れてきますのでゆっくり息を吸いながら数を数えて下さい」
『いち、 にー、 さん、 しー、 ごー ・・・ zzz』
「おわりましたよー わかりますかー わかりますかー 」
「おーい 終わりましたよ わかりますかー」
『うっ! あっ! あー終わったのか・・・ どれくらい経ったのかなー』
『う~~ まだ頭がぼんやりしてる』
後でこの時のはなしを聞くと、何度の同じこと言ってたらしい
麻酔のせいで全然わからんかったけど
それから3日間ぐらいは地獄のような痛みだった 切った長さは25cmぐらいで肋骨の下あたりを
沿うように左から5cmへその上まで上がって右に20cmほど下がる
ちょうど鏡でみると「へ」の字になっている
『結構切ってるなー への字か笑えるなー でも痛かったなー いやーでも次の日から歩くのは酷だよなー』
しかし、年を取ってからの手術は体力の消耗が激しかった 5~6m歩いただけで息が上がる しかも
歩幅は30cm(約足の大きさぐらい)
今普通に歩けることが幸せに感じる 前回の手術は頬骨であり、年齢も若かったので術後は普通に歩いて外を散歩することができ、体力も数日で回復できたが、今回は事情が違った 『いやー きついし痛い』『でもやるしかないなー 誰も助けてくれないし』